撮影や配信でホールを使う場合、ホール担当者との打ち合わせは何をするの!?

ライブ配信を請け負っている業者は、ホールなどで配信を行う場合、事前に必ずホール担当者と打ち合わせを行います。
過去に何度も配信をしたことのあるホールであれば、打ち合わせをせず電話で確認するのみの場合もありますが、初めて行くホールなどでは基本的に打ち合わせを行います。
ではどういったことを打ち合わせしているのか?ちょっと書いてみようと思います。
2023年1月最初の撮影

ライブ配信業者とホール担当者の打ち合わせは何をする?

ビデオカメラ位置の確認

一番わかりやすいのは当日のカメラ位置を決定すること。
客席を利用するのであれば、客席番号を指定し当日は予め立入禁止にしておいてもらいます。
またステージ上からの撮影の場合は、希望するカメラ位置を担当者に説明、主催者にも確認し式典などの邪魔にならないような場所を設定します。
特に大きなホールでは消防法の観点からむやみにカメラを設置することはできない場所もあるため、カメラ位置の事前打ち合わせでは必須の項目となります。
また視聴者を飽きさせないためのアングルも考えるとカメラ位置の打ち合わせは重要となります。

電源コンセントの位置

バッテリーで対応できるような短時間の撮影や配信であれば特に問題無いですが、1時間以上の撮影や配信ではホールから電気をお借りします。
ある程度の長さの電源コードは持参をしていますが、場所によっては20mほど必要な場合もありますし、100ボルトの電圧が来ていなかったり、特殊なコンセントの場合もあるので電源コンセントの確認は重要です。
また全ての機器の使用するアンペアなども伝えてホールに負担がかからないようにします。

インターネット回線の有無

ホールの有線LANや無線LAN
ライブ配信で重要なインターネット回線の確認も需要な打ち合わせ事項です。
最近では無線LAN(WiFi)が飛んでいるという会場が増えてきましたが、ライブ配信の場合必ず有線LANをお願いしています。
有線LANがたとえホールから遠くてもLANケーブルが届くのであれば、配信には有線LANを使用します。

配信に使えるインターネット回線自体が無い場所もあるため、LiveUなどモバイル回線も持ち込む事を想定し各携帯事業者の電波の状況も調査します。
当社の場合、モバイルルーターを持参しドコモ、au、ソフトバンクの3社の電波状況を調査しています。

会場の音声送りをお願いする

ホールの音声コネクタや電源コンセント
過去のコラムにも書きましたが、撮影や配信など映像作品で重要なことの一つが音声です。
配信の音声は当社のような配信業者がピンマイクなどを取り付けて独自に行う事もありますが、ほとんどの場合ホールの音声を配信用に送っていただきます。
そのための打ち合わせがとても重要です。
送っていただく音声レベルの確認(マイクなのかラインなのか)はもちろん、壁に設置されているコネクタの位置や種類なども重要。
また全ての音声を送っていただくのか、一部のマイクのみなのかなど撮影や配信するイベントによって違う事もあるので必ず確認をします。

古いホールの場合、キャノンコネクタの極性が逆のこともあるのでそういったこともふまえて音声はとても重要です。

ホールの担当者との関係作り

ライブ配信の打ち合わせ
これが一番重要かもしれませんね。
ライブ配信はホールにとって今までに無かった業務の一つです。コンサートなどの音声(PA)やビデオ、写真撮影などの昔からある業務と違いホールにとっては新たな業務となります。
始めてライブ配信を行うホールもあって私たち配信業者との信頼関係はこれからと言えるでしょう。お互いの信頼関係が築けて初めて良い作品ができます。

当社でも10年前はライブ配信を行いたいとホールの担当者に伝えても、なかなか伝わらず実績も無いことから信用されず断られることも多々ありました。
奇しくも新型コロナウィルス蔓延の影響でハイブリッド配信が増えたこともありここ2~3年で急に理解度が上がったような気がします。

ホール担当者との信頼関係が成り立ってこその配信業務ということです。

以上、ライブ配信や撮影におけるホールとの打ち合わせ内容でした。